人民元、1年7カ月ぶり安値 上海株も3.7%下落
【上海=張勇祥】中国で国慶節(建国記念日)の休暇明けとなった8日、人民元はドルに対し大幅に下落した。午後4時30分(日本時間午後5時30分)時点は1ドル=6.9135元と2017年3月以来、1年7カ月ぶりの安値をつけた。7日に中国人民銀行(中央銀行)が金融緩和に動いたことを受け、当局が元安を容認しているとの見方が強まりつつある。
米国との貿易戦争が長期化するなか、市場では「景気下支えのため1ドル=7元の大台を中国当局が許容するかが焦点」(大手銀行)との声が出始めている。人民銀は7日、2018年に入り3度目となる預金準備率の引き下げを発表。景気重視の姿勢を鮮明にしており、金融緩和に伴い進行しやすくなる元安を放置するのではないかとの見方につながっている。
人民銀は8月の元の下落局面では元安進行を緩和しようと相次ぎ手を打ってきた。ただ米国との貿易交渉に目立った進展が見られず、一段の元安容認を模索し始めた可能性がある。「現時点では資本流出は抑制できている」(投資銀行)との判断もある。
株式相場も大きく下落した。代表的な株価指数である上海総合指数は2716と前営業日に比べ3.7%も下落した。休場中に海外で上場するレノボ・グループや中興通訊(ZTE)など中国企業の株価が急落。香港市場も大きく値を下げており、本土での売りにつながった。