クラシック両雄、秋初戦で対決 待ち遠しい再戦
次はそれぞれ菊花賞・天皇賞へ
9月23日に阪神競馬場で行われたG2、神戸新聞杯(芝2400メートル)で春にクラシックを勝った3歳牡馬2頭が激突した。5月の日本ダービー(G1)を制したワグネリアン(栗東・友道康夫厩舎)が勝ち、4月の皐月賞(G1)に優勝したエポカドーロ(栗東・藤原英昭厩舎)は4着に敗れた。次はそれぞれ別のレースに向かう。G2戦とはいえ、この2頭の対戦が見られたのは、貴重な機会だったといえる。
ワグネリアンは中位馬群のやや後ろからレースを進めた。道中は前に行きたがる面をみせたものの、馬群の外側を回って追い上げ、ゴールまで残り100メートル付近で先頭に立った。最後は2着馬に半馬身差まで迫られたが、そのまま押し切った。
落馬負傷で騎乗できなくなった主戦騎手の福永祐一に替わり手綱を取った藤岡康太は、調教では同馬によくまたがっていたという。「体も一回り大きくなり、精神面も大きく成長した。最後はダービー馬の根性をみせてくれた」とパートナーをたたえた。実際、体重はダービー時より10キロ増え、力強くなった。
一方のエポカドーロはスタート直後につまずいたのが誤算だった。得意の先行策が取れず、後方からの競馬を余儀なくされた。最後は追い上げてきたがワグネリアンからは0秒5差の4着。騎乗した戸崎圭太は「スタートがあんな感じになったので……。自分の競馬ができなかった」と悔しがった。それでも追い上げてきたのは地力の証明。一度レースを使われて「次は良くなりそう」と前を向いた。
神戸新聞杯はクラシック3冠の最終関門、菊花賞(G1、10月21日、京都芝3000メートル)の前哨戦の位置づけで、3着までには菊花賞への優先出走権が与えられる。ただ菊花賞での2頭の再戦は見られない。エポカドーロは菊花賞へ向かうが、ワグネリアンの陣営は次のレースに天皇賞・秋(G1、28日、東京芝2000メートル)を選択。神戸新聞杯でも前に行きたがる面をみせており、3000メートルは適距離より長いと判断したためだ。天皇賞は強力な年長馬が相手となるが、距離適性を重視した。
神戸新聞杯はワグネリアンもエポカドーロもダービー以来となる秋の始動戦だった。いきなりの激突となったが、両馬が同じレースに出たのは神戸新聞杯が3回目で、ワグネリアンが2度目の先着を果たした。ダービーでは、ワグネリアンと2着のエポカドーロの着差はわずか半馬身。互角の争いが続いていると言っていい。再戦の機会が待ち遠しい。
(関根慶太郎)