トランプ氏、中間選挙へ「公約順守」誇示 新NAFTA
【ワシントン=永沢毅】トランプ米大統領は1日、ホワイトハウスで記者会見し、メキシコに次いでカナダとも妥結した北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉について「(大統領選で訴えてきた)約束を守った」と表明した。日本との2国間貿易交渉入りなどと並び、新NAFTAを約1カ月後に迫った11月の中間選挙に向けた「成果」としてアピールした。
トランプ氏は会見で「NAFTAは最も悪い取引の一つだった。公正、互恵的な関係になるよう見直した」と主張。重点分野である自動車で、域内での部品調達比率を62.5%から75%以上に引き上げる条項が入ったことなどに触れ「製造業、自動車産業にとって大きな勝利だ」と力説した。
乳製品でも「メキシコ、カナダの市場がより開かれる」と訴えた。
トランプ氏はこれに先立ち、ツイッターを通じ新協定が「NAFTAにあった多くの欠点や間違いを解決することになる」と強調した。
NAFTA見直しは政権の看板公約の一つ。新協定が一時的には米自動車産業の保護につながる可能性がある。トランプ氏は支持基盤である白人労働者層の支持を集めることができるとみる。
中間選挙が迫るなかで、トランプ氏には多くの逆風が吹いている。自身が指名した米連邦最高裁判事候補には性的暴行疑惑が相次ぎ、ロシア疑惑の捜査の手は広がる一方だ。トランプ氏はそれらを跳ね返す成果の積み重ねを急いでいる。