五輪ボランティア登録してみた 入力に戸惑い格闘30分
2020年東京五輪・パラリンピックの「大会ボランティア」(8万人)の募集が9月26日から始まっている。希望者は大会組織委員会の公式ウェブサイトで登録する必要があるが、インターネット上には「応募フォームに不備がある」「入力項目が多すぎる」などの書き込みが目立つ。大会ボランティアの参加を目指す記者(23)も実際に登録してみた。
公式サイトの応募フォームを開いてまず目に入ったのは「入力には約30分かかります」との注意書き。そんなにかかるのかと思いながら「大会ボランティアに応募する」をクリックした。
いきなり現れたログイン画面を見て驚いた。文字が英語だった。日本語への切り替えは画面右上のかなり小さい「日の丸」をクリックする必要があるが、画面上での説明はなかった。そして名前やログインID、パスワードを新規登録すれば組織委からメールが届く。記載URLをクリックしてログインし「マイページ」を開くと必要項目の入力が始まる。
最初に戸惑ったのが「生年月日」の入力。入力欄をクリックすると登録する「今日」の日付を示すカレンダーが出てくる。自分の生年月日を選ぶには「今日」からクリックをかなり繰り返してカレンダーを遡らなければならない。
シニア層には手間がかかる作業だと思ったが、いろいろ試しているとカレンダーを遡らなくても、生年月日の欄に直接数字を入力してもいいことが判明。ただ「年、月、日」の順ではなく「日、月、年」の順で入力しなければならないが、またもや説明がなかった。
その後、顔写真の登録やユニホームのサイズなどを入力し、ページ最下部の送信ボタンを押すと、突然のエラーメッセージ。実は入力したのは「STEP1」のみ。ページはSTEP6まであり、次のSTEPのタブをクリックして画面を切り替える必要があった。
STEP2は「居住国」を選択する。国名はカタカナの「ア」から始まり最初はアイスランド。しかし、なぜか日本の「ニ」はなく、下の方までいくと「南スーダン」の下、「北朝鮮」の上に「日本」を発見した。なぜ日本を一番上にしないのか疑問に思った。
STEP3、4以降はボランティア経験や語学力、スポーツ経験などを問われる。やっとSTEP5で「希望するボランティア期間」を問われたが、「『10日未満の活動』を選択した場合、マッチング上の制約を受けやすくなります」との文言を発見。2年後の予定を決めることに少し不安だったが、準備期間からパラリンピックまですべて参加可能とした。
STEP5の最後には大会成功に向けた意気込みを200文字以内で記入する欄もあった。STEP6で規約に目を通し同意ボタンをクリックしてようやく登録が終わった。とにかく合格していることを祈りたい。
確かに約30分かかり、今どきの応募フォームでは珍しいくらいの説明の足りなさを実感した。特にエラーメッセージは、どの項目に記入漏れがあったのか示されず分かりにくい。入力項目の多さもボランティアの応募フォームというより、就職活動のエントリーシートに似ていると思った。