中ロ、北朝鮮向け制裁の緩和呼びかけ 国連安保理で
米は維持を要求
【ニューヨーク=永沢毅】国連安全保障理事会は27日、北朝鮮の核問題に関する閣僚級会合を開いた。ポンペオ米国務長官は対北朝鮮制裁の履行を改めて呼びかけた。中国やロシアは米朝対話を歓迎しつつ、制裁緩和の必要性を訴えた。2回目の米朝首脳会談に向けた調整が進む中で、各国の駆け引きも激しくなっている。
ポンペオ氏は会合で、10月に再訪朝して北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長と会うようトランプ大統領から指示を受けたと説明した。
同時に「非核化まで制裁を完全に履行するのが私たちの共同責任だ」と強調した。海上で積み荷を移し替えて石油精製品などを北朝鮮に持ち込む「瀬取り」が横行していると指摘した。
これに対し、中国の王毅国務委員兼外相は米朝対話への支持を表明しながらも「米朝関係の進展を踏まえると、制裁緩和を検討する必要があると考える」と主張。北朝鮮が求めている朝鮮戦争の終戦宣言についても「非核化の促進につながる」と早期の締結を米国に促した。
ロシアのラブロフ外相も「非核化には制裁緩和が伴うべきだ」と王氏に同調した。南北首脳会談で合意している韓国と北朝鮮の経済協力については、制裁の適用除外とすることも検討すべきだと訴えた。米国は南北の経済協力には慎重な立場をとっており、隔たりが鮮明になっている。