キャッシュレス化、「脱囲い込み」カギに フィンサムシンポ
金融とITが融合するフィンテックをテーマに金融庁と日本経済新聞社が共同で開催する「フィンサム2018&レグサム」で27日、現金を使わないキャッシュレス決済のシンポジウムが開かれた。系列を作らず垣根を越えた「脱囲い込み」が普及のカギを握るとの意見が相次いだ。
じぶん銀行の柏木英一社長は「銀行口座は使いやく信頼性も高いが、顧客目線で使いやすいサービスになるよう(外部の知見を活用する)オープンイノベーションが必要だ」と指摘した。
みずほフィナンシャルグループ(FG)の山田大介専務執行役員は実証実験を進めるデジタルコインに触れ「日本中の銀行が乗れば地方の顧客が互いの地域で利用でき、コストも下げられる」と説明した。
三井住友FGの谷崎勝教取締役執行役専務は別のシンポジウムで人工知能(AI)を使い、預金口座を出入りするお金の流れから企業の財務状況を予測するシステムを開発したと説明。自ら活用するだけでなく「ほかの地域金融機関にも販売していく」と話した。
同日午前には、金融庁担当の越智隆雄内閣府副大臣があいさつし「フィンテックがもたらすイノベーションの動きを推進、加速させていく」と強調。利用者保護にも目配りしながら「『金融育成庁』として金融サービスの向上が実現されるよう各施策を着実に推進していく」と抱負を述べた。
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