豪雨被害の損失拡大 日新製鋼190億円
7月の西日本豪雨の影響が企業に広がってきた。日新製鋼は27日、西日本豪雨の被害損失が190億円になりそうだと発表した。同社の呉製鉄所(広島県呉市)は豪雨の影響で自家発電設備に不具合が発生。現在も復旧の見通しが立っていない。設備停止に伴い、電力を外部から調達する費用として60億円の営業損失が発生する。設備復旧にかかる費用130億円も特別損失に計上する。
日新製鋼は19年3月期の連結業績見通しを開示していないが、最終的なもうけを示す純利益のアナリスト予想(平均値)は前期比7%増の139億円。被害額が拡大すれば、最終赤字に転落する可能性もある。同社は19年1月に新日鉄住金の完全子会社となる予定だ。損失は新日鉄住金の業績に影響を及ぼすことになる。
西日本豪雨でこれまでに判明している損失額は、マツダの280億円が最大だ。工場の生産停止などの影響で国内で4万4000台、海外の組み立て用部品で2万3000台分の生産減少につながった。イオン九州は福岡県内の店舗で浸水被害が出るなどした影響で、15億円の損失を発表している。
一方、広島県内の工場が操業を停止しているコカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスは損失額を算定中としており、今後も企業の損失額は拡大していくとみられる。