キューバ国家元首、米国の経済制裁解除を要求 国連総会で演説
【メキシコシティ=丸山修一】キューバの国家元首、ディアスカネル国家評議会議長は26日の国連総会で演説した。4月に就任した同氏にとって国際社会への本格的なデビューとなった。演説では米国にキューバへの経済制裁を解除するように求めるとともに、今後もフィデル氏、ラウル氏のカストロ兄弟が主導した革命の精神に基づく政治を続けると宣言した。
一般討論演説で、ディアスカネル氏は「我々は(キューバ革命を)継続している。決して断絶しない」と述べ、これまでの政治体制を続けると表明した。そのうえで「米国がキューバの政治体制転覆のため経済封鎖や敵対行動をしても革命は生き続ける」と強調した。さらにトランプ米政権を「敵対的で緊張する状況をつくりだすことに専念している」と批判した。
オバマ前米大統領時代にキューバと米国は国交正常化や経済制裁緩和が進み、関係が大きく改善した。日本企業も将来の経済成長を見込み、キューバで現地法人の設立などを進めた。だが、2017年1月に就任したトランプ米大統領は強硬姿勢に転じ、キューバと米国の関係は再び冷え込んでいる。