日本紙パ商事、東南ア2社を買収
紙商社国内最大手の日本紙パルプ商事は26日、シンガポールとマレーシアで紙商社を1社ずつ買収すると発表した。11月に各社の株式を100%取得する予定。合計投資額は約18億円。日本市場では印刷物のデジタル化で紙需要が減少しており、海外事業を強化して収益力を高める。
オーストラリアとニュージーランドを本拠地とする紙商社のスパイサーズグループから、シンガポールとマレーシアにある事業会社を買収する。2社の年間売上高は合計70億円。2社は需要が伸びている段ボール原紙などの包装分野に加え、印刷用紙などを販売している。
スパイサーズグループは豪州とニュージーランドを合わせたオセアニア地域の紙販売シェアで2位。事業の売却により、オセアニアに経営資源を集中する狙いだ。日本紙パ商事は2017年、オセアニア地域で1位の紙商社、豪ボール&ドゲットグループに51%を出資した。
日本紙パ商事は10年に米国、12年にもインドの紙商社を相次いで買収した。海外事業の拡大が奏功し、売上高における海外比率は3割を超えた。渡辺昭彦社長は「世界最強の紙商社を目指したい」と話している。
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