米通商代表、NAFTA対カナダ協議「まだ意見に開き」
【ワシントン=鳳山太成】米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は25日、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を巡るカナダとの協議について「まだ(両国の意見に)相当の開きがある」と明かした。米政権は9月末の合意を目指しているが、乳製品や貿易紛争解決制度など解決すべき課題が依然として残っているとして、カナダ側に譲歩を促した。
ニューヨークで開かれたイベントで語った。協議の争点は米国が求めるカナダの乳製品市場の開放や、カナダが維持を求める紛争解決制度だと説明したうえで「米国が重要と考える分野でカナダは譲歩していない」と不満を表した。
米国とメキシコが先に大筋合意した新協定に関して「カナダも合流したいと思っているだろうし、米国も同じ考えだ」と語った。一方で米貿易関連法に基づき新協定の詳細をまとめる期限の9月末に触れて「いくらか時間がなくなってきている」と指摘。10月以降、メキシコとの2国間協定の発効手続きを先行させる考えを改めて示した。
トランプ米大統領はカナダと合意できなければ、NAFTAから離脱したりカナダからの輸入車に高関税を課したりすると脅しをかけながら譲歩を迫っている。