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阪神・梅野、メディア対応「満点」のグッドガイ

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人気球団阪神のユニホームを着ると、プレー以外にメディア対応という面倒な仕事をこなさねばならない。プロとして当然の責務だが、取り巻く取材陣が桁外れに多い。それでも毎試合、誠実に対応する選手がいる。梅野隆太郎捕手(27)だ。

公式行事ではないが、米大リーグ関連のメディアは毎年、取材に協力的な選手を選んで「グッドガイ賞」を贈っている。その流儀に倣うと、梅野は文句なしに"いい男"だ。取材陣にこびることなく、淡々と話す様子はすがすがしい。

チームには戦略上の機密事項が多い。とりわけ捕手には配球、バント守備のフォーメーションなど、明かせないことが多い。だから取材陣を避ける。だが、梅野は求められると、立ち止まって取材に応じる。辛い負け試合の後でも同じだ。

若い小野泰己(24)が先発し、五回に2ラン3発を浴びて惨敗した8日の巨人戦。さすがにこの日は……と思われたが、変わらなかった。そして、3被弾の前に投手・菅野智之に安打されたこと、岡本和真に被弾したあとタイムをとらなかったことを反省点に挙げた。

グッドガイになるか、ならぬかは選手の性格にもよる。大山悠輔(23)のように活躍しても、多くを語らない選手がいる。関東で育った選手は、関西風の遠慮のない問答が苦手だ。関西弁は電波を通して全国に浸透しているが、ニュアンスまで理解されていないのか。若い日の掛布雅之や入団して間もないころの鳥谷敬(37)らも、グッドガイになかなかなれなかった。

福岡出身の梅野は関西風取材にさほど抵抗はない。金本知憲監督によって主戦捕手に抜てきされ、一度は原口文仁(26)にその座を奪われた。その間、リードの悪さをよく指摘され、口惜しい思いをした。ここで批判に落ち込んでいたら、昨季のポジション再奪取はなかった。

投手の分業化が進んで、捕手の仕事は多様化した。年齢もタイプも違う多くの投手とバッテリーを組む難しさは想像を絶する。外国人は球を散らす梅野流リードを、投球数が増えると好まない。日本人のベテランは球種を多く、時間をかけて勝負するタイプが多い。その多様さを計算してリードしても、投手が制球を乱すと報われない。

小野のほかに青柳晃洋(24)、才木浩人(19)ら若手の登板が増えた。力はあるが、投手族独特の自己主張が強い。先輩が出すサインに首を振ることもよくある。梅野はその反骨をも包み込み、メディアに情報を発信し続けるだろう。=敬称略

(スポーツライター 浜田 昭八)

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