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ブラジル代表、ネイマール主将は是か非か

サッカージャーナリスト 沢田啓明

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サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で、ブラジルは準々決勝で敗退して国民を落胆させた。しかし、ブラジルサッカー連盟はチチ監督のチームづくりの方向性を評価し、監督と2022年W杯まで契約を延長。9月上旬、ブラジルはW杯ロシア大会後最初の強化試合(2連戦)に臨むべく、米国へ遠征した。

22年W杯へ「チームの顔」に

7日にニュージャージーで国際サッカー連盟(FIFA)ランキング22位の米国と対戦する前日の記者会見で、チチ監督は重要な発表を行った。それまで採用してきた選手が主将を持ち回りで務める制度を廃止し、今後はすべての試合でネイマール(パリ・サンジェルマン)に任せることを明らかにしたのである。その理由として、「彼の人間的な成熟」を挙げた。同席したネイマールは「セレソン(代表)の主将を務めるのは大きな喜びであり名誉」とうれしそうだった。

14年W杯準決勝でドイツに歴史的な大敗を喫した後、監督に就任したドゥンガ氏が主将に選んだのがネイマールだった。輝かしい才能を持ち、明るく屈託のない22歳を前面に押し立て、代表を取り巻いていた沈鬱なムードを振り払おうとしたのである。当初の強化試合では対戦相手との力の差が大きく、ブラジルは順調に勝利を重ねた。しかし、15年末に18年W杯南米予選が始まるとネイマールは厳しいマークを受けて調子を落とし、チームも勝てなくなった。

16年6月にドゥンガ監督が解任され、チチ氏が後任に就任。試合ごとに主将を代える制度を導入することで、事実上、ネイマールからキャプテンマークを取り上げた。精神的な重圧が軽減されてネイマールのプレーの内容が向上し、同時に複数の主力選手にリーダーとしての自覚が芽生えた。チームは上昇機運に乗り、南米予選を圧倒的な強さで突破。W杯ロシア大会の有力な優勝候補に挙げられた。

ところが、ネイマールは2月末に骨折した右足首が大会までに完治せず、弱気になってファウルを欲しがる姿が「シミュレーション」と糾弾された。彼のいら立ちがチームメートに伝染してチーム全体がおかしくなり、危機的な状況で強力なリーダーシップを発揮する選手も現れず、ベルギーに敗れた。14年の捲土(けんど)重来を期しながら18年も世界の頂点に立つことができなかった。さらに4年後の栄冠を目指す状況で、チチ監督は「チームの顔」としてネイマールを選んだのである。

米国戦の先発メンバーのうち10人はW杯ロシア大会代表だったが、序盤にCFフィルミノ(リバプール)が先制し、前半終了間際にもネイマールがPKを決めた。後半は代表初招集の若手ら新戦力を試し、2-0で勝った。4日後にワシントンで行われたエルサルバドル(FIFAランキング72位)との試合では、W杯ロシア大会に招集されなかった6人が先発。21歳のCFリシャルリソン(エバートン)の2得点、ネイマールの得点(PK)などで5-0と大勝した。

W杯直後の強化試合では、どの国も新チームを立ち上げたばかり。結果はさほど重要ではない。それでもチームが目指す方向性は垣間見え、いいプレーをして勝つに越したことはない。ブラジルの場合、対戦相手との力の差が大きかったので割り引く必要はあるものの、22歳のボランチのアルトゥール(バルセロナ)が中盤で試合を落ち着かせ、リシャルリソンがいきなり結果を出すなど収穫があった。

いずれもPKとはいえ、エースのネイマールは2得点を挙げ、チームの計7点のうち5点にからんだ。今後も彼が攻撃の軸となるのは間違いない。その一方で、エルサルバドル戦でペナルティーエリア内で相手DFと接触して倒れたのを主審にシミュレーションと判断され、イエローカードをもらった場面があった。また、点差が開くと無用な股抜きやシャペウ(ボールをマーカーの頭上に跳ね上げてかわすプレー)などテクニックをひけらかす悪癖もこれまでと変わらなかった。

「依存症」再発の懸念も

個人的には、チチ監督が主将持ち回り制をやめてネイマールを主将に指名したことに疑問を抱いている。W杯ロシア大会で痛烈に批判されたエースを励まし、さらなる成長を促す意図があるのはわかる。しかし、背番号10を背負って攻撃の中心的な役割を担っている若者にさらに重い責任を与えては以前の失敗を繰り返すことになりかねず、現在のネイマールがチームの中で主将に最もふさわしい選手であるかどうかは疑わしいと考えるからだ。プレーの面でもチームがせっかく克服しつつあった「ネイマール依存症」が再発するのではないか、という懸念がある。

19年6月から7月にかけて、ブラジルでコパ・アメリカ(南米選手権)が開催される。南米10カ国に特別招待の日本とカタールを加えた12カ国が出場して行われるが、開催国として是が非でも優勝しなければならない。新生セレソンにとって最初の試金石であり、チームとしての方向性が厳しく問われることになる。

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