「日英関係の発展が願い」イシグロさんに叙勲伝達式
【ロンドン=小滝麻理子】ノーベル文学賞受賞者で、2018年春に旭日重光章を受章した英国人作家カズオ・イシグロさん(63)への叙勲伝達式が12日、ロンドンの日本大使公邸で行われた。イシグロさんは「日本と英国の友好関係の発展に少しでも貢献できたのであれば幸せだ」と述べた。
長崎県出身のイシグロさんは5歳で英国に移住。長崎を描いた最初の長編作品「遠い山なみの光」などの著作がある。
イシグロさんは「子供の頃は日本と英国の関係の間にまだ戦争の影が残っており、両国がより温かい関係になることが願いだった」と2つの国への思いに言及。その上で「民主主義の価値を共有する両国はより力を合わせるべきだ」と語った。
イシグロさんは現在、人工知能(AI)が社会に与える影響について興味を持って執筆活動を行っているという。