印鉄鋼大手買収、なお曲折 ミタル、入札価格引き上げ
【ムンバイ=早川麗】多額の負債を抱え競売にかけられているインド鉄鋼大手エッサール・スチールの入札が再び動き出す。「応札資格がない」とされた鉄鋼世界最大手のアルセロール・ミタルは、条件を満たせば応札資格があるとの法廷判断を受け、買収価格を引き上げて再提案を出した。債権者委員会は同社を含む3陣営の提案を見て落札者を決める見通しだが、なお法廷での議論も残り曲折がありそうだ。
ミタルは落札できれば新日鉄住金と組んで買収する。地元メディアは新たな入札価格が4200億ルピー(約6400億円)と報道。従来は3700億~3900億ルピー程度とみられていた。ロシア系ファンドや印鉄鋼最大手JSWスチールの連合なども入札に参加する。
ミタルなどが最初の入札での「不適格」判断を不服として訴え、会社法上訴審判所は7日、条件を満たせばミタルなども応札資格があるとの判断を下した。ミタルの場合、過去に出資していた企業の負債を11日までに払うことが条件で、ミタルはこの判断を不服として最高裁に訴えている。