イランの8月原油生産4%減 米制裁が影響か
OPEC全体では減産縮小
【ドバイ=岐部秀光】石油輸出国機構(OPEC)が12日発表した月報によると、イランの8月の原油生産量は前月より日量約15万バレル(約4%)少ない同約358万バレルに落ち込んだ。核合意から離脱を表明した米国が日本などの同盟国にイラン産原油の輸入停止を求めている影響とみられる。
一方、OPEC全体ではロシアなど非加盟国と合意した減産の縮小を継続。8月の生産量は前月に比べ日量27万8千バレル多い約3256万5000バレルで今年最大となった。
OPEC生産国は合意で定められた枠を超えて減らしていた生産を元に戻すことで価格の高騰を抑えようとしている。イランにとっては減った分の輸出を対立するサウジアラビアに奪われる二重の打撃だ。サウジの生産は日量4万バレル増え、同1040万バレルを記録した。
イラクでは南部のイスラム教シーア派住民が多い地域で反政府デモが頻発し、政治状況が不安定となったが、生産への影響は軽微だ。イラクの生産量は日量9万バレル増え同約465万バレルだった。
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