大阪最大級植物園も被災 台風21号、樹林帯復活に30年
台風21号の影響で、大阪府内最大級となる敷地面積(約25ヘクタール)の大阪市立大理学部付属植物園(大阪府交野市)が、全域で被災したことが12日、園への取材で分かった。
倒木などの被害が出ており、生い茂っていた樹林帯が被災前の状態に完全に戻るには30年程度かかる見込み。
園によると、敷地面積は甲子園球場約6個分。管理している樹木約1万5千本のうち、少なくとも約370本が倒れたり、枝が折れたりした。すぐに状況を確認できない範囲なども含めれば、倍以上の被害となる可能性がある。伐採し、苗から植えるなどの措置を検討する。被害額は算出不能という。
樹齢60年以上の木や、元園長の故三木茂博士が化石として発見し名付けた樹木「メタセコイア」も被害に。2017年に秋篠宮さまが視察された、園に1本しかない皇室ゆかりのメタセコイアは無事だった。
4日から臨時休園していたが、通路などの安全が確認できたとして14日から一部エリアで再開する。担当者は「復旧を早められるよう頑張りたい」としている。〔共同〕
2018年9月4日、25年ぶりに非常に強い勢力で上陸した台風21号。関西で死者14人の人的被害をもたらしただけでなく、暴風で流されたタンカーが関西国際空港の連絡橋に衝突し、人と物の流れがストップするなど、経済にも大きな爪痕を残した。