ゴジェック、ベトナム進出 まず二輪配車・配送
【ハノイ=谷翔太朗】インドネシアの配車サービス大手ゴジェックは12日、ベトナムで正式にサービスを開始した。これまでインドネシアに注力していた同社にとって初の海外進出となる。まずは二輪タクシーの配車と小さな荷物の配送サービスを展開する。東南アジア展開で先行するグラブ(シンガポール)を追い上げる。
ベトナムでは「GO-VIET(ゴーベト)」という名称を使う。既に8月上旬からホーチミン市でサービスを試験的に開始していたが、同国の首都ハノイでの正式なサービス開始を皮切りに、順次使える都市や提供するサービスを増やす。今後数カ月以内に四輪の配車や決済サービス、食事宅配サービスを導入する方針だ。
ハノイ市内のホテルで記者会見したゴジェック創業者のナディム・マカリム氏は「ゴーベトはベトナム市場に特化したサービスだ。ベトナムの利用者の生活をより便利にすると信じている」と述べた。会見にはベトナムを訪問中のインドネシアのジョコ大統領も出席した。
ゴジェックはインドネシアでタクシーから運輸サービス市場の主導権を奪い、宅配や決済、買い物代行など様々なサービスを提供。インドネシア人の生活に欠かせないサービスになった。
同国での利用シェアは推定約5割弱でグラブとしのぎを削るが、東南アジア全体で見れば、米ウーバーテクノロジーズの東南アジア事業を統合し、8カ国200都市に展開しているグラブに後れをとっている。
ゴジェックはベトナム以外にもフィリピン、タイ、シンガポールへの進出を決め、サービス展開を急ぐ。