「危機は姿を変え現れる」 日銀・中曽宏前副総裁
リーマン危機10年 当事者の証言4
中曽宏日銀前副総裁(64)は1997~98年の日本の金融危機で信用機構課長として最前線に立った。97年秋、三洋証券の法的整理は金融機関が資金を貸し借りする短期市場の大収縮を招いた。大手証券のリーマン・ブラザーズが破綻すれば市場の大混乱は明らかだった。日本の教訓を米当局に説き、ベアー・スターンズと同じくリーマンを公的救済すべきだと求めてきた。
「破綻が決まってしまった」。2008年9月15日未明、...
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