日米貿易協議、21日で調整 茂木氏とライトハイザー氏
茂木敏充経済財政・再生相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は11日夜、電話で協議し、閣僚級の貿易協議(FFR)を21日に開く方向で調整することで一致した。FFRは8月上旬に続いて2回目。今月下旬の安倍晋三首相とトランプ米大統領による日米首脳会談での合意をめざす。
21日から開き、22日まで延長する可能性もある。茂木氏とライトハイザー氏をトップにするFFRは8月9~10日にワシントンで初会合を開催した。2国間交渉を求める米と多国間の自由貿易を重視する日本は折り合わなかった。
トランプ氏は日米の貿易協議について「(新しい)合意ができなければ、大きな問題になることを日本も認識している」と述べ、日本への圧力を強めている。米国は自動車関税の引き上げをちらつかせながら、牛肉などの農畜産物の市場開放を迫ってくる見通しだ。日本は自動車関税の引き上げを回避するため米国を説得する。農産品の市場開放も環太平洋経済連携協定(TPP)で合意した水準を限度とする。
茂木氏は初会合後の記者会見で「立場の相違を埋め、日米貿易を促進する方策を見いだす方向で一致した」と述べた。次回の会合で合意を目指す考えも示しており、米要求に対して、日本がどう対応するかが焦点になる。日本は米国のTPPへの復帰が最善との立場を崩していないが、初会合ではライトハイザー氏は復帰はないとの意向を示した。
米国は各国との貿易協議を進めている。欧州連合(EU)とは7月に関税引き下げ交渉の開始で一致した。8月下旬にメキシコと北米自由貿易協定(NAFTA)見直しで大筋合意した。カナダともぎりぎりの交渉を続けている。