景況感2期ぶりプラス 大企業7~9月、製造・非製造とも改善
財務省と内閣府が12日発表した7~9月期の法人企業景気予測調査によると、大企業の景況感を示す景況判断指数(BSI)はプラス3.8だった。プラスは2四半期ぶり。自動車や電子部品の生産増のほか2020年開催の東京五輪関連の需要が追い風となり、製造業、非製造業ともに改善した。
指数は自社の景況感が前期に比べ「上昇」したとの回答割合から「下降」の割合を引いた値。調査基準日は8月15日で、関西圏を中心に経済活動をまひさせた台風21号や、北海道で震度7を観測した地震は反映されていない。資本金1千万円以上の企業1万3075社から回答を得た。
大企業の製造業はプラス6.5、非製造業は同2.4でともに2四半期ぶりのプラスとなった。製造業で上昇に最も寄与したのが情報通信機械器具で、自動車やスマートフォン(スマホ)向け部品の需要が堅調だった。
前回4~6月調査ではスマホ部品の需要減で景況感が悪化していたが、7~9月期にかけて需要が戻った格好だ。電気機械器具も自動車や産業用機械向けの部品が伸び、景況感が改善した。
非製造業では20年の東京五輪に関連し建設業が大幅に改善した。業務の効率化に向けたシステム投資の需要増などで情報通信業も好調だった。
大企業による景況感の10~12月期見通しはプラス7.6で、製造業が同9.9、非製造業が同6.5だった。財務省は企業の景況判断について「緩やかな回復基調が続いている」とし、前回調査から判断を据え置いた。
2018年度の設備投資見通しは前年度比9.9%増を見込む。上半期が13.6%増、下半期が6.9%増だった。米中間の貿易摩擦への懸念は「企業の声としては聞かれず、今回調査では影響はなかった」(財務省)という。