NAFTA、米・カナダ協議再開 トランプ氏「順調」
【ワシントン=鳳山太成】北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を巡り、米国とカナダは11日、閣僚協議を4日ぶりに再開した。トランプ米大統領は記者団に「カナダとの交渉は非常に順調だ」と話す一方、同国に譲歩を迫る姿勢を強調した。米国が交渉期限とする9月末までに農業分野などで妥協点を見いだせるかはなお流動的だ。
カナダのフリーランド外相がワシントンを訪れ、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表と断続的に会談した。フリーランド氏は「生産的で建設的に話し合っている」と記者団に説明した。両者は5~7日も会談したが、結論に達しなかった。
トランプ氏は11日、記者団に「カナダは合意を強く求めている。私は合意してもいいし、しなくても構わない」と語った。一方、カナダのトルドー首相は地元メディアに「カナダの国益を優先する」と述べ、自動車の高関税を脅しに使うトランプ氏の戦術には屈しないと強調した。
カナダのメディアによると、トランプ氏が批判する乳製品の保護策に関して、カナダはチーズ向け生乳など一部製品の市場開放を含む譲歩案を示した。貿易紛争の解決制度では米国が2国間パネルの廃止を求めるのに対し、カナダは機能縮小に反対している。
NAFTA見直しを巡り、トランプ米政権は8月下旬、原産地規制の厳格化などでメキシコと2国間で大筋合意した。米国とメキシコは9月末をめどに新協定の詳細を公表する見込みで、カナダが合流して3カ国の枠組みを維持できるかが焦点となっている。