中島、南野、堂安の前線躍動 森保ジャパン初陣飾る
先発のうち8人は国際Aマッチ出場が2桁に届かない。真打ちはまだここにいないのでは、と安くみられそうな顔ぶれではある。「特別と感じた部分もあったし、特別に思っていない自分もいた」と語った森保監督その人もフル代表監督としては初陣だった。
2016年リオデジャネイロ五輪世代の中島と南野、さらに若い堂安を組み合わせた前線のユニットには、若いなりのキビキビした良さがある。
3人に共通するのは欧州で一人前に戦っていること。代表に置いてみてもプレーに自信がにじみ出ていた。ボールを受けていくつかの選択肢があるとき、簡単なプレーに逃げない。自らで何かをなそうとし、窮屈なエリアでも突っかけ、パスを通そうとする。
それが顕著に表れていたのが中島だった。寄せてくる相手を寸先でかわすのが生きざまだとばかりに、ドリブルにドリブルを重ねて局面を破った。南野も意欲的にゴールへ向かい、遠藤が挑戦的なパスを狙う。後方からは青山が判断のいいダイレクトパスで若武者らを引き立てた。
39分、遠藤の前へのパスから始まり南野がシュート。66分のゴールは、中島がタメをつくった間に裏へ抜けた遠藤からの折り返しを南野が決めた。ダイナミズムにあふれる攻撃シーンは一再にとどまらない。
「自分の良さを発揮するためにも、周りを生かし、周りによってつながっていこうと。チーム全体としてアグレッシブな戦いができた」と森保監督。「個」も協調も求めるまじめな頭領のもと、今はまだ地味めのメンバーがみせたアグレッシブさが、新たな一歩を踏み出した代表へ期待を抱かせる。(岸名章友)