パナソニックホームズのIoT住宅 入居者の募集開始
パナソニックホームズは11日、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」を活用した初の賃貸住宅の物件を発表し、入居者の募集を始めた。エアコンや照明などの設備をスマートフォン(スマホ)アプリを使って遠隔操作できたり、スマホで扉を開錠できたりするなど、便利な機能を満載した。
IoT住宅「スマート・グラン荻窪」(東京・杉並)には3つの機能を導入した。「スマート設備コントロール」は外出先からスマホでエアコンや照明、給湯器などを操作できる機能。たとえば、帰宅前にエアコンをつけて室温を快適にしておいたり、風呂を沸かしたりできる。不在時にも遠隔操作で照明をつけたりすることで防犯にも役立つ。
「スマート宅配ボックス」は宅配物が届くとスマホにメールで通知が来る。近隣のクリーニング店と提携し、宅配ロッカーを介して洗濯物の受け渡しもできる。
「スマートキーシステム」はスマホで玄関の扉を開錠・施錠できる機能。鍵をかばんから出す手間が省ける。事前に登録しておけば交通系ICカードなどで開錠することもでき、スマホの電池が切れていても心配ない。期限つきで鍵の情報を家族などと共有することもできるため、急な来客があっても鍵を実際に受け渡しする必要がない。
今回の物件には、NTT東日本と提携し、カメラやセンサーを搭載し人工知能(AI)が助言する植物の栽培器具「IoTプランター」を試験的に導入する。センサーが取得した温度や日当たりなどの情報やカメラが自動で撮った画像に基づき、AIが利用者のスマホに助言を送る。植物の知識がなくても手軽に栽培を楽しめるという。
パナソニックホームズが3月に20~40代の単身と共働き夫婦の男女286人を対象に実施したアンケートによると、82.2%がIoTを使った賃貸住宅に興味があると回答した。
スマート・グラン荻窪は5階建てで、1LDKの物件が42戸入る。物件の広さは約27~45平方メートルで、単身か共働きの新婚夫婦などの入居を想定している。
パナソニックホームズは今回の物件も含め4件を受注済み。入居者の反応を見ながら、今後も東名阪地域を中心にIoT賃貸住宅の物件を増やすことを検討する。
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