東京エレクトロン、宮城工場拡張へ用地取得 40億円
半導体製造装置の東京エレクトロンは11日、宮城工場(宮城県大和町)に隣接した土地約11万平方メートルを工場用地として取得すると発表した。取得額は約40億円。宮城県などが土地を造成した後、2021年3月に引き渡しを受ける。半導体市場の拡大を受け、製造装置は需要増を見込む。宮城工場の拡張に向けて土地を確保することで、成長投資を進める考えだ。
同日、宮城県、大和町と用地取得の協定を結んだ。村井嘉浩知事は「宮城工場の進出によって関連産業が生まれ、地元の雇用創出に貢献してきた」と述べた。県内では同社の工場進出に伴って半導体関連企業の集積が進んでいる。新工場の増設についても経済効果への期待感を示した。
東京エレクトロンの宮城工場は半導体メモリーの製造に欠かせない「エッチング装置」の開発と製造を手がける。クラウドサービスやSNS(交流サイト)などの普及でデータセンターの増設が続くなか、半導体需要に対応するための増産に向けた投資を続けている。
既存の敷地内で新しい開発棟を建設中で9月末に完成する予定。11月には生産ラインを増強し、工場の生産能力を2倍に増やす計画だ。河合利樹社長は「開発と製造は同じ場所でやるのがベストだ。宮城から世界最先端の技術価値を提供する」と語り、さらなる工場拡張への意欲を示した。
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