愛知のメインバンク、競争激しく上位陣のシェア縮小
東京商工リサーチ名古屋支社がまとめた企業のメインバンクの調査によると、顧客獲得競争の激化で愛知県では上位陣の銀行がシェアを落とした。製造業をはじめとした優良企業が多いだけに、信用金庫などが攻勢を強めている。
愛知県内にある企業のメインバンクは三菱UFJ銀行が24%を占め、調査を始めた昨年と同様に首位を維持した。ただシェアは前年に比べ0.2ポイント減少した。名古屋銀行もシェア10%と2位を守ったが、シェアを0.01ポイント落とした。3位の愛知銀行は0.03ポイント減の8%だった。
一方で信用金庫の躍進が目立つ。西尾信用金庫はシェアを0.05ポイント伸ばし、1.8%だった。前年より順位を1つ上げて15位になった。同信金は昨春に三井住友海上火災保険と地方創生の包括連携協定を結び、訪日外国人向け事業を企業に助言するなどサービスを拡充している。豊田信用金庫も0.05ポイント増、碧海信用金庫と三井住友銀行もそれぞれ0.04ポイント増とシェアを伸ばした。
岐阜県の1位は十六銀行(34%)、三重県の1位は百五銀行(43%)でいずれも首位の座を守った。「貸し出しの収益は厳しく、中部でも今後再編が進む可能性がある」(東京商工リサーチ名古屋支店)という。