NTTデータ、人型ロボで見守り 介護士の負担減
導入の介護施設公開
NTTデータはヒト型ロボットとセンサーを組み合わせた高齢者介護施設向けの見守りサービス「エルミーゴ」を導入した特別養護老人ホーム「フローラ田無」(東京都西東京市)を報道陣に公開した。
エルミーゴはロボット開発ベンチャー、ヴイストン(大阪市)が開発したロボットの「ソータ」や、介護用ベッドの下に設置するセンサー、天井近くに設置する赤外線センサーで構成する。ベッド下のセンサーが呼吸や心拍数をもとに施設入居者の覚醒を検知。
赤外線センサーでベッド周辺をとらえ、入居者がベッドから起き上がると、ロボットや介護士のスマートフォンのアプリにクラウド経由で通知する。ロボットは介護士が来るまで待つように入居者に呼びかけ、介護スタッフが現場に向かう時間を稼ぐ仕組みだ。
今回5床に導入したフローラ田無の尾林和子施設長は「入居者の転倒などの事故防止や、介護士の負担を和らげる効果を期待できる」と話す。詳細な分析はまだだが、介護スタッフが身につける活動量計では、導入以前よりも夜間の見回り時の歩数が減少しているという。入居者が夜間に歩いていないかを確認する頻度が減ったためと見られる。
ロボットは音声認識機能を備え、昼間には設定を切り替えることで入居者の会話相手も務められるという。
今回は入居者との自然な会話が成立しにくく、ロボットの人工知能(AI)の改良や、入居者のロボットへの慣れなどの課題を残した。尾林施設長は「AIが賢くなれば、入居者との会話を深められそうだ」と期待を示した。