ケーブル敷設船に支援物資 NTT、北海道被災地へ
NTTは10日午前、北海道地震で被害をうけた通信インフラの復旧に向けて、横浜港に停泊した海底ケーブルの敷設船「きずな」にドラム缶30缶分の燃料や可搬型小型発電機20台などを積み込んだ。午後に出港し13日朝に北海道内に到着予定で、北海道内の通信インフラ復旧を急ぐ。きずなを被災地復旧のために活用するのは初めてとなる。
非常用電源の燃料など
地震に伴って一時、北海道全域で停電した影響で、NTT東日本やNTTドコモの通信インフラは大きな被害を受けた。NTT東日本の固定電話は、停電をカバーするための非常用電源が枯渇した影響で一時、6万回線以上がつながらなくなった。その後、商用電源が回復したことから、10日午前9時時点で固定電話の影響は約100回線まで回復している。。
しかし現時点でも電力供給が不安定であり、計画停電も予定されていることから、非常用電源を動作させるための燃料を運ぶことにした。燃料は軽油やガソリンなどで合計約6000リットルとなる。道内に500以上あるNTT東日本の通信ビルに配備し、電力の安定供給を図る。
きずなは17年に竣工。国際インターネットに欠かせない光ファイバーを使った海底通信ケーブルの敷設・保守を手掛ける。全長109メートル、横幅は20メートルで、東日本大震災を教訓に災害時に資材を運搬できる能力や移動基地局、電力の配電機能なども備える。
(堀越功)