カナダ外相、NAFTA再交渉「妥結可能」と言明
【ワシントン=鳳山太成】北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を巡り、カナダのフリーランド外相は9日放映のテレビ番組で同国を含む3カ国での妥結は「絶対に可能だ」との見通しを示した。トランプ米政権は先にメキシコと2国間でNAFTA見直しに大筋合意した。米国とカナダの協議は農業などで意見の対立があるが、妥協点を見いだせると強調した。
フリーランド氏は先週、ワシントンを訪れて米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表と連日協議したが、合意には至らなかった。カナダメディアによると、フリーランド氏は週内にも米国との協議を再開する。
パーデュー米農務長官は9日までに放映された米テレビ番組で、カナダが採用している乳製品の市場保護策を見直すよう求めた。NAFTAを巡る米国とカナダの協議では乳製品や貿易紛争解決制度が争点となっている。
米政権は8月下旬、NAFTA見直しでメキシコと大筋合意に達した。米国の貿易関連法に基づき、カナダを含む3カ国協定で再交渉を妥結するには、米国とカナダが9月中に協議をまとめる必要がある。
トランプ米大統領はカナダが譲歩しなければ同国抜きで協定を発効し、輸入車に高関税を課すとしている。両国の協議がまとまらなければ日本の自動車メーカーにも大きな悪影響を及ぼす。