パイオニア、FA関連の連結子会社をデンソーに売却
パイオニアは7日、自動車産業向けのファクトリーオートメーション(FA)事業を手掛ける連結子会社の東北パイオニアEG(山形県天童市)の全株式をデンソーに売却すると発表した。売却額は109億円で12月1日に株式を譲渡する予定。非中核事業を売却して車載機器事業に集中する。デンソーはFAシステム設計のノウハウを得て、自動車部品以外の事業を拡大する。
パイオニアはカーナビの不振などで赤字が続き、車載機器に経営資源を集中している。2月には電子部品製造装置の子会社の売却を、5月には音響機器を受託生産する海外工場を売却することを発表した。
事業の選択と集中をさらに加速させるために東北パイオニアEGの売却を決めた。2019年3月期連結決算で、約33億円の売却益を計上する見込み。売却で得た資金は自動運転などの成長分野に投資する。
デンソーは、自動車部品以外の事業の拡大に取り組んでおり、FA分野を軸のひとつと位置づけている。これまで産業用ロボットなどの機器を手掛けていたが、東北パイオニアEGの買収で、FAシステム全体を設計して提供できるノウハウを吸収するのが狙い。デンソーの世界の工場の自動化に活用するほか、双方の技術を融合させて外販を増やしていく計画だ。