秋最初のG1へ復帰戦 短距離路線 実力馬が順調
夏競馬が終わり、秋のG1戦線が近づいてきた。秋最初のG1、スプリンターズステークス(30日、中山芝1200メートル)に向け、休養していた関西の短距離馬が続々と戦線に復帰し始めている。9日のセントウルステークス(G2、阪神芝1200メートル)には3月末の高松宮記念(G1)を勝ったファインニードル(牡5、栗東・高橋義忠厩舎)が出走を予定。高松宮記念で2着だったレッツゴードンキ(牝6、栗東・梅田智之厩舎)は8月末にターフに戻った。
ファインニードルは4月末に香港に遠征して、現地のG1で4着に入って以来、約4カ月半ぶりのレースとなる。
遠征の直前に勝った高松宮記念は初のG1タイトルだった。中位馬群の外側から追い上げ、先に抜け出したレッツゴードンキを鼻差でかわして優勝した。
昨夏以降、馬体がパワーアップし、一気に実力を付けた。「成長力がすごい」と高橋調教師も目を見張るほどで、重賞でも好走できるようになった。昨年のセントウルSで重賞初制覇を果たすと、18年シーズンは初戦から2連勝でG1を奪取した。
この秋の復帰戦となるセントウルSに向け、臨戦態勢も整った。8月29日には栗東トレーニング・センターの坂路での調教で800メートル51秒7の速いタイムを計時した。復帰戦で好結果を出し、スプリントG1春秋連覇につなげたいところだ。
レッツゴードンキは8月26日のキーンランドカップ(G3、札幌芝1200メートル)で復帰し、5着に入った。道中は中位を追走し、第4コーナーで馬群の外側に進路を取ると、じわりと末脚を伸ばした。休養明けとしては悪くない内容だった。
昨年は、春のレースの消耗から回復するのに手間取り、春以来の休養明けでいきなりスプリンターズSに出走。それでも2着に入り、力を示した。今年は調整も順調で「(昨年とは)全然、雰囲気が違う」(梅田調教師)。G1の前に一度レースに出走できたのは好材料。昨年以上の結果も期待できそうだ。
一方、夏場も休養せずにレースに出て、力を付けた馬もいる。アレスバローズ(牡6、栗東・角田晃一厩舎)は7月のCBC賞(中京)、8月の北九州記念(小倉)と芝1200メートルのG3を連勝した。いずれも中位から追い上げてきた。「おとなしくなって、どっしりとしてきた」と角田調教師が語るように、精神面が成長し、自身の能力を十分に発揮できるようになった。秋最初のG1から関西の実力馬たちがレースを盛り上げてくれそうだ。
(関根慶太郎)