ノバルティス、米後発薬の一部を1000億円で売却
【フランクフルト=深尾幸生】スイス製薬大手のノバルティスは6日、後発医薬品子会社サンドの米国事業の一部を9億ドル(約1千億円)でインドの後発薬大手、オーロビンド・ファーマに売却すると発表した。2019年中の売却完了を目指す。価格競争の激しい分野を切り離し、後発薬でも成長性の高いバイオ後続品(バイオシミラー)などに経営資源を傾ける。
売却するのは米国での皮膚科領域と錠剤などの経口投与剤。約300種類の製品が含まれ、18年1~6月の米国での売上高は6億ドルに相当する。皮膚科領域の開発施設や米国内の3つの生産拠点もあわせて売却する。オーロビンドには現金9億ドルのほか、業績に応じて1億ドルを追加で支払う。
サンドのリチャード・フランシス最高経営責任者(CEO)は声明で「この売却で、より複雑な後続薬や高付加価値品、バイオ後続薬に人や時間を充てられる」と強調した。
2月にノバルティスのCEOに就いたバサント・ナラシンハン氏は先端医療を経営の軸に据え、事業構成の見直しを加速している。
5月に英グラクソ・スミスクライン(GSK)に一般用医薬品(大衆薬)の合弁会社の株式を売却することで合意し、大衆薬から撤退。6月には眼科分野の子会社アルコンをグループから分離、上場させることを決めている。