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2008年9月16日 AIG救済 米政府管理下に

リーマン・ショックダイアリー(12) This Day In 2008

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米政府と連邦準備理事会(FRB)は2008年9月16日、米保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の救済策を発表した。FRBがAIGに最大850億ドルの緊急融資を提供。つなぎ融資と約8割の株式取得の権利を組み合わせたパッケージで、AIGを事実上、政府の管理下に置く内容だった。

15日のリーマン・ブラザーズの破綻は、金融市場に「カウンターパーティーリスク」という恐怖を植え付けた。取引相手の債務不履行リスクを指すこの言葉は、金融危機以前はほとんど無視されていた。今や疑心暗鬼に陥った金融機関は短期金融市場で「貸し渋り」を始め、頼みの綱は中銀のみとなっていた。日米欧の中央銀行は大量の資金供給を続けたが、FRBから資金供給を受けられないAIGのような保険会社やファンド勢のドルの資金繰りは急激に悪化していた。

救済は金融恐慌を回避する一手だった。AIGは「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」と呼ばれるデリバティブを使い、住宅ローンの証券化商品の元利払いを保証する取引を大規模に手掛けていた。AIGが資金繰り破綻に陥れば、保証に頼る金融機関などの「破綻の連鎖」が止まらなくなる恐れがあった。

だが、「リーマンを見放した翌日に、なぜ」という疑念はぬぐえず、一貫性に欠ける米政府への批判と不信が高まった。

「脆弱になっている金融市場にAIGの不測の経営破綻が加われば、大幅な金利上昇、家計資産の減少、経済の停滞を招く恐れがある」(2008年9月16日のFRB声明)

 シリーズ「リーマン・ショックダイアリー This Day In 2008」では、10年前の出来事と当時の日本経済新聞の報道、要人発言を基に、危機の進行を「リアルタイム」で再現する。

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