7月米貿易赤字、対中輸出8%減 貿易戦争で大豆減少
【ワシントン=鳳山太成】米商務省が5日発表した7月の貿易統計(通関ベース、季節調整済み)によると、中国への輸出額は110億2600万ドル(約1兆2000億円)で、前月に比べ8.2%減った。米中貿易戦争の影響で、中国が報復関税を課した大豆などの輸出が減った。中国からの輸入額は1.6%増え、対中貿易赤字は341億3500万ドルと5.2%拡大した。
季節変動を考慮しない調整前の対中貿易赤字額は368億3400万ドルで、単月として過去最大となった。米中は7月に互いに年340億ドル分の品目を対象に第1弾の追加関税を課した。しかし、米国にとっては輸出への影響が相対的に大きく、赤字削減にはつながっていない。
7月の米国の全体の貿易赤字額(季節調整済み)は6%増の720億4600万ドル。堅調な米景気の内需を背景に輸入が0.9%伸びて2122億4600万ドルと過去最高を記録する一方、ドル高もかさみ輸出は1.6%減だった。
輸出全体の減少幅の3割を占めたのが、米国の主力輸出品で国別では中国向けが最も多い大豆だった。7月は前月比16.2%減った。中国は7月6日、米国に報復する形で大豆に25%の関税を上乗せした。発動前は駆け込み需要が発生し、大豆輸出は5月が9割、6月も2%増えていた。報復関税が発動された7月は減少に転じた。
同じく25%の報復関税が課された乗用車も季節調整前の対中輸出額は5億1100万ドルと前年同月比で36%減った。米中は8月23日に160億ドル分に第2弾を発動。米国はさらに2千億ドル分への第3弾も準備中だ。対象が広がるにつれて双方の貿易取引への影響が本格的に表れそうだ。
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