公文書管理の実態調査へ 政府、全府省庁で 年度内にも
政府は中央省庁が公文書を適切に管理しているかの実態調査を始める。財務省による決裁文書改ざん問題などを受けた再発防止策の一環で、3日付で内閣府に設けた公文書監察室が担う。各府省庁に立ち入り調査し、規則に沿った管理を促す。
菅義偉官房長官は4日の記者会見で、公文書管理の調査について「できるだけ早期に着手できるよう検討中だ」と述べた。公文書監察室は2018年度中にも調査を始める方針で、問題が見つかれば改善を求める。
調査は公文書管理法に定める「実地調査」の位置づけ。これまでは内閣府の公文書管理課が調査権限を持っていたが、3日に公文書監察室を新設したのに伴い権限が移った。同室は独立公文書管理監の下で、各府省庁の公文書管理の状況を一元的に監視する。
公文書管理課によると、これまで同法に基づく立ち入り調査は2件の実施例があるが、全府省庁を対象にした調査は初めて。
政府は7月、財務省の決裁文書改ざんなど公文書管理を巡る不祥事を受け、再発防止策を決定した。決裁後文書の修正禁止や職員への研修の実施といった方針を打ち出した。公文書監察室は再発防止策などが適正に運用されているかを調べる。