御嶽山頂の規制一部解除へ 長野・木曽町側の登山道
2014年の噴火災害以降、山頂付近への立ち入り規制が続く御嶽山(長野、岐阜県)について、麓の長野県木曽町が登山道や避難シェルターの整備が進んだとして、同町側から山頂に至る登山道に限り、9月末をめどに規制解除する方針を固めたことが4日、町への取材で分かった。立ち入り規制が解除されれば、14年の噴火から初めてになる。
5日に岐阜県で開催される地元自治体などでつくる火山防災協議会の会合で報告する予定。協議会の議論も踏まえ、解除に向けた作業を進める。木曽町は被災した山頂付近の山小屋を解体し、約90人を収容できるシェルターを設置。火山灰に覆われるなどしていた登山道の復旧もほぼ完了したとしている。
御嶽山は14年9月27日に噴火し58人が死亡、5人が行方不明になった。噴火警戒レベルは3の「入山規制」となり、15年6月に2の「火口周辺規制」に。昨年8月には最も低い1の「活火山であることに留意」に引き下げられたが、火口から約1キロの範囲で規制が続いていた。
被災者家族会「山びこの会」は、噴火から4年となる9月末に慰霊の登山を実施できるよう、木曽町に解除を求めていた。同じく麓の長野県王滝村や岐阜県下呂市は、対策が済んでいないとして規制を継続する。
一部の遺族らは、噴火直前に火山性地震が増えていたのに噴火警戒レベルの引き上げを怠ったなどとして、損害賠償を求めて国と長野県を提訴し、現在も係争中。〔共同〕