中小河川での避難対策強化 豪雨受け岐阜県の検証委
西日本豪雨での県や県内自治体の対応を検証するために岐阜県が設置した委員会は31日、これまで手薄だった中小河川での避難対策を強化するとした報告書案をまとめた。危険性が高い地域を示した「水害危険情報図」を作成、危機管理型水位計の設置を進める。
危機管理型水位計は水位が上がると計測間隔が短くなる仕組み。危険情報図に基づき家屋被害が想定される全河川に設置し、住民に避難を呼び掛ける際の参考とする水位もそれぞれ設定する。
報告書案によると、豪雨では県内23市町村で延べ40万人超の住民に避難指示や勧告などが発令されたが、実際に避難所に行った人は約2%だった。住民の自主避難を促すための情報伝達手段を岐阜大と共同研究する。
県内では水位計がないか、あっても避難の基準水位が未設定だった中小河川で浸水被害が出た。長良川支流の津保川が氾濫した関市で用水路に落ちた軽ワゴン車から男性の遺体が見つかった。
検証委は神門純一副知事を委員長に有識者らで構成。豪雨被害を検証し今後の対策を議論していた。〔共同〕