野田総務相、総裁選への出馬断念 推薦人確保できず
野田聖子総務相は31日、国会内で記者会見し、出馬の意欲を示してきた9月の自民党総裁選への立候補を断念すると表明した。「本日まで努力し、多くの方に支援頂いたが断念することとした」と述べた。出馬の条件である国会議員20人の推薦人を確保できなかった。総裁選は立候補を表明した安倍晋三首相と石破茂元幹事長の一騎打ちの構図が固まった。
野田氏は「これからも国民の思いにしっかりと答える双方向の政治を実現するため努力する」と強調。無派閥議員としての出馬の難しさにも触れ「自民党内の多様な意見受け止めるよりどころとして、なんらかの塊を立ち上げることができればいい」と語った。議員によるグループづくりをめざす考えを示した。
野田氏は昨年8月、総裁選に出馬する意思を安倍晋三首相に伝えたうえで入閣した。「無投票は国民に失礼だ」と主張し、閣僚としての立場を生かして発信を続けた。8月に出版した政策集では地方創生や女性活躍、情報通信分野などで持論を展開した。
記者会見には野田氏に近い小此木八郎国家公安委員長、浜田靖一元防衛相らも同席した。29、30両日には都内のホテルで出馬に向けて協力してきた議員らと協議。告示までに20人の推薦人を集められなかった。仮想通貨を巡る情報公開請求の内容を第三者に漏らした問題も響いたとみられる。野田氏は2015年の総裁選でも出馬を探ったが、推薦人が集まらず断念した。