ヒヤリハット未共有が原因 群馬ハンマー衝突死事故
群馬県立藤岡中央高で2017年12月、サッカー部の男子生徒の頭に陸上競技用のハンマーが当たった死亡事故で、県教育委員会の事故検証委員会は31日までに報告書をまとめた。事故前の「ヒヤリハット」事例が共有されなかったことや、グラウンド使用のルールがなくハンマー投てき中にサッカー部が活動していたことなどが原因とした。
委員長の渡辺正樹東京学芸大教授は記者会見し「問題点は今回の件特有のものではない。校内外で共有し、事故防止につなげるべきだ」と指摘した。
報告書では、過去にもハンマーの投てき中にサッカー部員が近づき、陸上部員が回転動作に入ってから中断するなどのヒヤリハットが共有されず対策が取られなかったことや、事故当日に陸上部の顧問が投てき練習に立ち会っていなかった点を問題視。再発防止に向け、グラウンドの使用時間を分け、投てき練習中は明確に立ち入り禁止と示すことなどを提言した。
県は今後、教職員向けの研修や競技別ガイドラインの策定を通じて再発防止に取り組む。〔共同〕