カナダ首相、農業支援策を維持 NAFTA交渉でけん制
【ワシントン=鳳山太成】カナダのトルドー首相は28日、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を巡り、トランプ米大統領が批判している同国の農業支援制度を維持する考えを示した。ロイター通信が伝えた。米国とメキシコの2国間協議が大筋合意したのを受け、カナダを含む3カ国交渉が同日再開した。早期妥結へ譲歩を求める米政権をけん制した格好だ。
トルドー氏は、乳製品価格を下支えするカナダの供給管理制度について「制度を守る姿勢は変わっていないし、今後も守る」と表明した。トランプ氏はカナダの乳製品の保護策を問題視し、NAFTA再交渉で制度を撤廃するよう求めてきた。
カナダのフリーランド外相は28日、ワシントンを訪れ、米政権との交渉を約3カ月ぶりに再開させた。米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表との議論は「建設的だった」と説明した。
米国とメキシコの両政府は27日、2国間で大筋合意したと発表した。米政権は31日までにカナダとの3カ国合意をまとめて交渉結果を議会に通知する方針だ。カナダとの交渉がまとまらない場合、米メキシコの2国間協定として発効を目指す可能性にも触れながら、カナダ側に譲歩を迫っている。
ムニューシン米財務長官は28日、米テレビ番組でカナダとの交渉が31日までにまとまる可能性があるとの期待感を示した。