オリンパス、福島県の事業所で託児施設を9月開所
オリンパスは27日、福島県西郷村の白河事業所の敷地内で従業員向けの託児施設を9月に開所すると発表した。同社の事業所では初めての施設で、定員は19人。従業員は子供を預けて業務にあたれる。笹宏行社長は同日の開所式で「事業の競争力を持つため、自由で生きがいを持って働ける環境を整える」と話した。今後は他の生産拠点での導入も検討していく。
託児施設の名称は「オリンパスキッズガーデン白河」。事業所の出勤日に開所し、保育時間は朝7時45分から夜8時までだ。
白河事業所は内視鏡などの医療機器を生産する拠点で、1400人超の従業員が働く。託児施設について笹社長は「社長就任前の約7年前に計画があったが(2011年に発覚した不正会計の)不祥事で延期になっていた」と説明した。現場からの要望を受け、16年末から準備を進めていたという。
笹社長は「託児施設はまず1カ所で経験値を得て、次をやっていく」と述べた。白河事業所での動向をみながら、将来的には長野県など他の生産拠点でも施設を設ける考えを示した格好だ。一方で東京・新宿の本社や八王子の拠点では子供を連れて通勤電車に乗る人が多くなるなどの理由で、現時点で導入は難しいとみている。
白河事業所は約40年前から操業しており、当時の40人規模から現在の1400人超まで拡大した。オリンパスは来年、創業100周年を迎える。笹社長は「次の100年に向けて、さらに事業を拡大していくためのスタートの年だと考えている」と語った。
(諸富聡)