「くず債」避ける日本の弱さ
本社コメンテーター 梶原誠
「100年に1度の衝撃」とまでいわれた2008年9月のリーマン危機から、来月で10年を迎える。後世の歴史家はこの激動期をどう位置づけるだろうか。
「ジャンク債の市場が世界に広がった10年」。こんな視座は十分に成り立つ。
ジャンク債はその名の通り「くず債」で、信用度が低い(格付けでダブルB以下)分、利回りは通常の債券より大幅に高い。1970年代に米国で発行が始まって以降、カナダや大陸欧州で細々と出...
東京、ニューヨーク、ソウル、香港を拠点に市場を通して世界を見てきた。アジア通貨危機、日本の金融危機、リーマン危機も取材。編集委員、論説委員、英文コラムニストを経て2017年2月より現職。市場に映る全てを追う。