明治大の守吉チームが優勝　第18回全国学生対抗円ダービー

学生が円・ドル相場の予想を競う「第18回全国学生対抗円ダービー」は、明治大学3年の守吉かおるさんのチームが優勝した。学生円ダービーは参加者が6月末と7月末の為替相場を予想し、実際の終値との差の小ささを競う。守吉さんのチームは2カ月分の合計差がわずか12銭という好成績だった。

今回参加した54校344チームの合計差の平均は3円83銭だった。過去の優勝チームの合計差も16年は40銭、17年は38銭で、守吉チームは15年の西南学院大・山崎亮太チームによる9銭以来のニアピン記録だった。

8月上旬に守吉チームに取材すると「読みの鋭さ」と「度胸」という2つの勝因が見えてきた。まず読みの面では、6～7月相場のポイントだった米朝首脳会談と米連邦準備理事会（FRB）による利上げの影響を正確に見通した。

トランプ米大統領は5月下旬に、一時は首脳会談を中止すると表明しながら、一転して6月12日の開催に踏み切った。守吉チームはこの間の流れを「中止表明で進んだ円高の流れが会談の実現により巻き戻す」と予想。さらにFRBによる利上げでドル需要の増加が見込まれることから「円が買われる理由はない」（チームの武藤伶さん=明大3年）として、6～7月は円安基調と読んだ。実際の相場も上下動はあったものの、5月末の108円台から7月末の111円台へと円安が進んだ。

チームが所属する明大の勝悦子教授のゼミからは4チームが参加したが、残り3チームはいずれも円高予想だったという。皆とは違う予想を教授の前で発表することに「戸惑いもあった」（守吉さん）が、自分たちの仮説を信じた度胸の良さも好結果につながったようだ。

6人で構成するチームは学内のカフェテリアに集まり議論を重ねたという。「為替レートの予想は国際経済を実践的に学ぶ教材となる」と勝教授。ゼミでは海外からの留学生と英語で国際問題を議論する授業もあり、日々の鍛錬も実を結んだ。

2位は駒沢大の斉藤涼介さん、3位は山梨県北杜市立甲陵高校の大島遥さんのチームだった。