インドネシア民主主義に忍び寄る「不寛容」の影
アジア・エディター 高橋徹
インドネシアで経済閣僚を歴任したギナンジャール・カルタサスミタ氏は20年前、アジア通貨危機の事態収拾にあたった。混乱のさなか、閣内をまとめて当時のスハルト大統領に退陣を迫り、30年間の「開発独裁」の幕を引いた人物でもある。
7月に来日した同氏は、2019年4月に予定される次期大統領選についてこう語っていた。
「ミスター・アベ(=安倍晋三首相)と同じく、ジョコ大統領の再選は確実でしょう。国民のもっ...
経済が成長し目まぐるしく変化するアジアの国々。米国と中国の超大国同士の貿易摩擦が激しくなる中、その狭間に位置するアジアにも余波が及んできた。現地の政治・経済の今を切り取る。