日本の最低生活保障を考える(7) 医療・介護費抑制、経済に悪影響も
山田篤裕 慶応義塾大学教授
財・サービスの相対価格が変化すれば、その組み合わせ、最低生活費は変化します。相対価格が変化する要因としてW・ボーモルは半世紀以上前に「コスト病」を定式化しました。これは、製造業などと異なり、物的生産性向上が難しい部門(医療・介護や保育など)のサービスが人々にとって必需で(需要の価格弾力性が低く)、かつそこで働く人の賃金が、物的生産性が上昇する製造業などと同様に上昇するなら、そのサービスの相対価格...
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