NEDOなど、福島・浪江で世界最大規模の水素工場着工
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と東北電力、東芝グループ、岩谷産業は9日、福島県浪江町で計画する「福島水素エネルギー研究フィールド」の建設を始めたと発表した。世界最大規模の水素製造設備を備える。2019年10月までに建設し、試運転を経て20年7月までに水素の輸送など実証を始める。
実証はNEDOの委託事業。隣接する太陽光発電や東北電力の系統からの電力を使い、1万キロワットの水素製造装置で年間最大900トンの水素を作って貯蔵・供給する。作った水素は圧縮してトレーラーで運ぶ。燃料電池による発電用途や燃料電池車・バスといった交通用、工場での燃料など幅広く供給する予定だ。製造にあたり、水素需要を予測して製造量を調節し、電力系統の需給バランスを調整する。
実証フィールドの用地は東北電力の原子力発電所の計画地だったが、震災後に計画を取りやめ、被災地復興のため浪江町に無償で譲渡した。再生可能エネルギーの活用拡大を目指しながら、福島県や浪江町の震災復興を後押ししたい考えだ。