アルゼンチン前副大統領に有罪判決 汚職関与で
【サンパウロ=外山尚之】アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの連邦裁判所(地裁に相当)は7日、アマド・ブドゥ前副大統領に対し、禁錮5年10月の有罪判決を言い渡した。ブドゥ氏は反米左派のフェルナンデス前政権で経済財政相や副大統領を歴任。職権を乱用し、ブドゥ氏が関与する会社が公共事業を受注できるようにしたという疑いがかけられていた。
ブドゥ氏は2009年から11年まで経財相を務めた際、違法に買収した印刷会社に紙幣やパスポートの印刷を発注したとされる。同氏は関与を否定し、控訴する見通し。
アルゼンチンでは8月、汚職への関与で前政権の主要閣僚や官僚などが相次いで逮捕され、社会に波紋が広がっている。通貨下落や国際通貨基金(IMF)への支援要請でマクリ大統領の支持率が落ちるなか、フェルナンデス氏は政権批判の受け皿となってきた。相次ぐ汚職発覚は19年の大統領選での巻き返しを狙う左派陣営にとって打撃となりそうだ。