精神障害者の求職1.5倍 働く意欲高まり、5年間で
ハローワークでの障害者の新規求職申込数が2016年度、5年前と比べて16.3%増の約17万6千件となったことが、厚生労働省のまとめで分かった。特に精神障害者の求職は1.5倍と大幅に増えた。
健常者を含めた新規求職申込数はこの間、雇用情勢が好調で仕事を探す人が減っている。厚労省は「障害者雇用に対する企業の理解が進んだことで、働く意欲が高まったのではないか」と分析。精神障害者の大幅増は、精神障害の手帳を持つ人自体が増えたことも要因という。
厚労省によると、16年度の精神障害者の求職件数は11年度比49.9%増の約8万5千件で、障害者全体の半分近くを占めた。知的障害者も15.4%増えたが、身体障害者は11.6%減った。身体障害者の場合、既に雇用が比較的進んでいたことが減少の理由とみられる。
一定規模以上の企業に義務付けられている障害者の雇用率は今年4月から2.2%に引き上げられ、精神障害者も義務の対象に加わった。
障害者の離職を防ぐことも課題で、厚労省は、就労支援事業所などを通じて就職した場合、事業所の担当者が遅刻や欠勤がないかを確認したり、本人と面会して悩みを把握したりする仕組みを18年度から導入している。〔共同〕