CKハチソン13%増益 李嘉誠氏後継、堅実な滑り出し
【香港=木原雄士】香港の複合企業、長江和記実業(CKハチソンホールディングス)が2日発表した2018年1~6月期の純利益は180億2千万香港ドル(約2500億円)と前年同期比13%増えた。5月に創業者の李嘉誠氏からトップを引き継いだ息子の李沢鉅(ビクター・リー)氏のもとで堅実な滑り出しを見せた。
グローバルに展開する小売事業に加え、欧州やカナダ、オーストラリアなどで手掛けるインフラやエネルギーの事業が好調だった。ビクター氏は2日のアナリスト向け説明会で「米中貿易戦争の影響はまだ出ていない。今後、何らかの影響が出てくるだろうが、事業を多様化しており、大きな変動にも対応できる」と成長に自信をのぞかせた。
1~6月のEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)を地域別に見ると、欧州が54%を占め、中国本土はカナダと同じ10%、香港は3%だった。事業別にみるとインフラと通信が利益の6割近くを占めた。ビクター氏は「米中以外にも多くの国で事業を展開している」と指摘。「リスクは機会でもある」という意味の中国のことわざを引用して、先行きに楽観的な見方を示した。
グループの不動産大手、長江実業集団(CKアセットホールディングス)の1~6月期の純利益は65%増の247億5300万香港ドルだった。
長江グループは6月に豪ガスパイプライン大手APAの買収を提案。7月には折半出資するイタリアの通信大手ウインド・トレを完全子会社化すると発表した。ビクター氏は李嘉誠氏の路線を引き継いで、事業の多角化や地理的な分散を着々と進めている。