「丹波篠山市」に改名へ 住民投票なら手続き中断
知名度のある「丹波篠山市」への改名を検討していた兵庫県篠山市は1日、「市全体の利益にかなう」として市名変更を決めたと発表した。一方、住民投票を求める市民団体があるとして、投票実施に必要な署名活動が始まった場合は手続きをいったん停止するとしている。
酒井隆明市長は記者会見し、「街の活性化のために丹波篠山ブランドを生かしていくことが一番の道だと判断した」と説明。ただ、市民の署名活動中に必要な条例案を市議会に提出すると混乱が予想されるとして「見守るしかないが、待てる期間にも限度がある」と述べた。
市は4月以降、285会場で住民との意見交換会などを開催。その際に実施した市民約3千人へのアンケートでは、8割近くが市名変更に理解を示した。市はこうした結果から「多数の賛成を得た」と判断した。
ただ、住民投票を求める市民団体「名付け親になろう会」が今月10日ごろから署名活動を始め、1万人分集めるのが目標。市住民投票条例によると、有権者の5分の1(約7100人)以上の署名で投票実施が決まる。
市は、署名が集まらなければ条例案を市議会に提出。来年5月の皇太子さまの天皇即位に伴う新元号に合わせ、市名変更したいとしている。
市民団体関係者は「議会や市長の動きに左右されずに活動を進めていきたい」と話した。〔共同〕