宇部興産、車載電池の材料で生産再編 マクセルと連携
宇部興産は31日、電気自動車(EV)向けに需要が拡大するリチウムイオン電池用絶縁体(セパレーター)の生産体制を再編すると発表した。提携関係にあるマクセルホールディングスとの既存の共同出資会社や新会社への移管・集約を通じ、運営を円滑化。日本や中国など内外電池メーカーへの供給力を高める。
セパレーターはリチウムイオン電池の正極と負極を隔てるためのフィルム。宇部興産は自動車用の世界シェア(17年度)で約1割を握る大手。
宇部興産が66%出資する宇部マクセルに、セパレーター原膜の生産を移管する。宇部マクセルは宇部興産から調達している原膜を内製できるようになり、原膜から製品の一貫生産体制が整う。
マクセルはセパレーターに無機微粒子を塗布する技術を持つ。宇部マクセルは塗布型と無塗布型の両方を製造・販売する。
また、塗布型セパレーターについては、マクセルが51%、宇部興産が49%出資する事業会社、宇部マクセル京都を12月にも設立。塗布工程と研究開発に特化し、製造コストや機能面で競争力の強化を図る。
一連の生産体制の再編により、宇部マクセルと宇部マクセル京都で2020年度に計200億円超の売上高を目指す。